関節炎や間歇性破行モデル疾患動物(マウス・ラット)などを回転するランニングホイール内に入れて歩行させると、歩様異常を呈します。
GAITは、後肢の歩様を高速カメラで撮影し、独自に開発したソフトウェアを用いて約2分間という短時間で歩様異常を検出、定量化するシステムです。設定も簡単で、行動研究の課題である観察者間の誤差がありません。
- 関節炎モデル疾患動物における薬効評価
カラゲニンなどを間接内投与した動物をランニングホイール内で歩行させたときの歩様異常を検出し、異常の程度を定量化します。 - 間歇性破行モデル疾患動物における薬効評価
後肢を灌流する動脈の片側を結紮した疾患動物をランニングホイール内で歩行させると、歩行当初は正常に歩行するものの、歩様異常を呈するようになります。正常歩行距離(=歩様異常を呈するまでの距離)が短いほど虚血が重度と判断できます。本システムでは、観察者間で誤差が出やすい歩様異常を自動的に検出し、下肢循環不全の程度を数値化することが可能です。
ほかにも中枢性運動機能障害などの歩様のアンバランスを定量化することにより、障害の程度ならびに薬物効果の定量化へ応用することも可能です。
特徴
- 高速カメラの採用により、今までの目視などに頼っていた実験動物歩様異常検出を自動化し、その程度を簡単かつ正確に数値化することが可能です。
- 解析画像・データをファイルとして保存可能で、再生検証が簡単にできます。
システム構成
本システムは、歩行する両後肢を正確に補足し、その動きを画面上の座標として記録します。ランニングホイール内での正常歩行時の足の運びは左右対称です。一方、カラゲニンなどを用いた関節炎モデル実験動物では、左右のバランスが崩れています。
今までは、関節腫脹などを指標として関節炎の程度を評価していましたが、GAITでは、わずかな歩行左右バランス異常を検出できるため、少量のカラゲニンによる軽度の関節炎ならびに薬物効果の検出・定量化が可能です。
片側の後肢灌流動脈を結紮した間歇性破行モデルラットでは、歩行開始直後は正常ですが、後に歩様異常を呈します。歩様異常の程度に閾値を設定し、それに達するまでの歩行距離を求めることができます。間歇製破行患者と同様に、虚血などにより下肢循環異常を呈するまでの距離を指標とすることができますので、臨床に即したシステムでの下肢虚血評価ならびに薬効薬理試験が可能となります。
マウスでも同様の解析が可能です。
ほかにも中枢性運動機能障害などが原因の歩様のアンバランスを定量化することにより、障害の程度ならびに薬効の定量化へ応用することができます。
このシステムを利用するにあたり、ラットをランニングホイール内で走行するように予めトレーニングする必要があります。ラットの系統によっては歩行が成立しないものもあります。
製造元:ノベルテック
外観及び仕様は改良のため予告なしに変更する場合がありますのでご了承願います。