ストールティング社製OPADシステムはラットやマウス等の小動物の三叉神経におけるホット/コールドの口腔顔面痛を評価する目的でフロリダ大学(Dr. John K. Neubert)の協力を得て開発されました。オペラント行動のコンフリクト・パラダイムを用いた装置であり、動物は正の報酬(リキッド)を得るか、負の報酬(嫌悪刺激)を回避するかの選択を自発的に行います。ペルチエ素子でコントロールされたサーモードに接触し、バーを押して報酬(リキッド)を得ようとします。この時に温度がホットかコールドかの嫌悪刺激となると退いてしまいます。OPADシステムはリッキング回数、サーモードへの接触回数及びリキッドの消費量を自動でモニタします。
専用ソフトウェア(OroFacial Software)としてANY-maze Softwareの応用版を使用していますのでトラッキングからデータ処理までの一連の作業を容易に行うことができます。
特徴
- ホット又はコールドの温度を4-75ºCの範囲でコントロールできます。
- 客観的な痛みの評価を行うことができます。
- オペラント行動のコンフリクト・パラダイムを用いています。
- 測定項目:(1)サーモードに接触した回数と時間 (2)リッキングの回数 (3)飲んだ量(ボトルの消費量をグラム単位で記録)
- 高い処理能力を備えており、1台のコンピュータで最大16ケージまで制御できます。
- ラックに組み込んでご使用になれます。
- パソコンとの接続はUSBで容易に行えます。
- ラット・マウスの両方に使用できます。
- アニマルケージ内には取り外し可能なメタルラックが備わっており、クリーニングが容易です。
SOFTWARE
ハードウェアから取り込まれたデータはLCDに表示され、専用ソフトウェア(OroFacial Software)により解析されます。以下に掲げるイベントをリアルタイムでトラッキングし、実験終了後に統計解析データをグラフと共に表示します。
- 温度変化
- サーモードへのコンタクト回数
- (報酬用)ボトルへのコンタクト回数
- リッキング回数
- (報酬用)ボトルの重量
仕様
温度範囲 | 4 -75°C |
外部出力 | USB |
アニマルケージ | 材質 :アクリル (200W x 200D x 160 mmH) |
電 源 | 110VAC 50/60Hz |
寸 法 | W280 x D370 x H400 mm |
重 量 | Approx. 11 kg |
外観及び仕様は改良のため予告なしに変更する場合がありますのでご了承願います。
References
- Neubert, J. K., King, C., Malphurs, W., Wong, F., Weaver, J. P., Jenkins, A. C., Rossi, H. L., & Caudle, R. M. (2008). Characterization of mouse orofacial pain and the effects of lesioning TRPV1-expressing neurons on operant behavior. Mol Pain, 4, 43.
- Neubert, J. K., Widmer, C. G., Malphurs, W., Rossi, H.L., Vierck, C. J. Jr., & Caudle, R. M. (2005). Use of a novel thermal operant behavioral assay for characterization of orofacial pain sensitivity. Pain, 116(3), 386-395.