本装置は D’Amour & Smith(参考文献参照)によって考案された、尾部への熱刺激を用いた迅速で正確な鎮痛剤のスクリーニングを行うための装置です。パラボリックミラーによってラット尾部にビームが照射されます。ビーム強度は調節が可能です。フラットな上部パネルの上に(下記画像のように)ラットを置き、尾部が照射窓を覆うように調整して、手で押さえます。実験がスタートされると、熱刺激とタイマーのカウントを開始します。ラットが痛みを感じて尾を動かすと、センサーがその動きを感知し、自動的に熱刺激とタイマーのカウントを停止し、反応時間を記録します。
主な特徴
- 動物の反応を自動検知
- USBポートからUSBメモリやPCにデータ転送
- 使いやすく、フラットな表面
- ビーム強度の電子制御と固定された熱源による優れた再現性
装置
本体には、赤外線光源、センサー、マイクロコントローラー、電子回路等の部品が収納されています。タイマーのカウントが停止すると、ディスプレイに反応時間が表示されます。反応時間は自動的に記録されます。
マウスへの熱刺激を避けるために、尾部を45°上げた状態を維持することができるマウス用リストレーナーもあります(別売)。このリストレーナーを使用することで、マウスでも実験を行うことができます。
データ収集
本装置はマイクロプロセッサ制御です。内部メモリに保存される実験データは、本体に付いているUSBポートでPCに転送することができます。
本装置にはUSBメモリが付属しています。これにより単一または複数セッションの全実験データの記録や、別の場所にあるPCで実験レイアウトを作成して、装置に読み込むこともできます。
校正ラジオメータ
テールフリック装置はI.R. Heat-Flux Radiometer Cat.37300を使用して正確なキャリブレーションを行うことができます。
I.R. Heat-Flux Radiometer Cat.37300があると下記が可能になります。
- 複数の装置で全く同じ強度(mW/cm2)の熱刺激を与える。
- ビームのエネルギー量を数値で表示。
単位:mJ(= mW・sec)
製品情報
37560 TAIL-FLICK UNIT 標準パッケージ
- 37560 :テールフリックユニット
- 37215-303:ペダルスイッチ
- 37360-302:取扱説明書(USBメモリ内)
- E-WP008:電源ケーブル
USBドライブ
アクセサリ
- 37300:ビーム校正用ラジオメータ
- 37370-365:交換用電球
- 37360-325:マウス用ホルダー(φ25mm)
- 37360-330:マウス用ホルダー(φ30mm)
仕様
ビーム強度 | 01 - 100 で設定可能 |
反応時間 | 0.1s単位 |
キャリブレーション | I.R. ラジオメータ(37300)使用 |
消費電力 | AC100-240V 50-60Hz 50W max. |
外形寸法 | W37.5 x D38.5 x H13cm |
重量 | 2.8kg |
梱包時外形寸法 | W46 x D35 x H28cm |
梱包時重量 | 約3.0kg |
外観及び仕様は改良のため予告なしに変更する場合がありますのでご了承願います。
REFERENCES
- D’Amour, F. E., & Smith, D. F. (1941). A Method for Determining Loss of Pain Sensation. J Pharmacol Exp Therap, 72 (1) 74-79.
- Lilius, T. O., Jokinen, V., Neuvonen, M. S., Väänänen, A. J., Niemi, M., Rauhala, P. V., & Kalso, E. A. (2014). The mineralocorticoid receptor antagonist spironolactone enhances morphine antinociception. Eur J Pain, 18(3), 386-395.
- Walsh, J., Tighe, O., Lai, D., Harvey, R., Karayiorgou, M., Gogos, J. A., Waddington, J. L., & O’Tuathaigh, C. M. (2010). Disruption of thermal nociceptive behaviour in mice mutant for the schizophrenia-associated genes NRG1, COMT and DISC1. Brain Res, 1348, 114-119.